「よし泣くぞ」と思い、泣く準備をして小説を読む人はあまりいないと思う。
妙に感情が冷めてたり、そもそも仕事や家庭問題で現実の生活が大変で、読書と無縁という人が多いと思う。
しかし、ふと気になり手に取ったこの本を読んで数年ぶりに涙を流して泣いてしまった。
私は読書が好きになり約20年、読んだ本は約800冊。小説で涙を流した事はほとんどないが、この小説を読んで不覚にも涙を流してしまった
泣いた後はなんと清々しい事か。
あなたも数年ぶりに泣いてみてはいかがだろうか……この本を読んで。
世の中には一生費やしても読み切れない程の数の小説があり、その内容も様々だ。
小説好きの方は、すごい数の小説の中から常に読みたいものを探し読んでいる。
その膨大な数の中から、私は素晴らしい小説に出会ってしまった。約1億2千万人いる日本人口の中で、産まれてから死ぬまでの間に出会う人の数はたかが知れている。結婚したい人と出会うのも奇跡的な出会いだ。
まるでそのような出会いを感じてしまった小説だ。
泣いてしまった小説
頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。
『影法師』より引用
磯貝彦四郎、この男の生き様は誰にも真似できないと思う。誰にも何も告げる事なく静かに死を遂げていた。親友の勘一が行方を追って全ての真相を知った時は、本当に身体が震えて涙が出てしまった。
「鬼滅の刃の煉獄杏寿郎」もかっこいいが、磯貝彦四郎も男として真似する事が出来ない程かっこいい。
また非常に悲しい生き方をしたなと感じる。すごい自己犠牲だなと感じた。これほどまでに胸が苦しくなるような気持ちになった小説は初めてだ。
また最後に”みね”が磯貝彦四郎の墓参りに行った時、昔の彦四郎とのエピソードを回想している場面…… 胸が熱くなる・・・
百田尚樹氏
この小説の著者は百田尚樹という人物だ。
この方は他にも有名な小説を書いている。どれも気持ちが熱くなるような小説だった。映画化もされているとのこと。